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アレルギー性結膜炎とは、日常生活の中での花粉、ハウスダスト、ペットやコンタクトレンズなどのアレルギー性物質(アレルゲン)が原因で結膜(白目の部分を覆う膜)が炎症を起こす疾患です。目の激しいかゆみや充血などが特徴で、大きく分けて、花粉症などの「季節性アレルギー性結膜炎」と1年を通じて症状が出る「通年性アレルギー性結膜炎」の2種類に分けられます。

結膜炎とは?

結膜とは白目の表面を覆う半透明の膜のことで、外的刺激から眼球を守る働きをしています。この結膜が何らかの理由で炎症を起こしている状態を「結膜炎」といいます。結膜炎には、アレルギーが原因となる「アレルギー性結膜炎」、ウイルス感染が原因となる「ウイルス性結膜炎」、細菌感染が原因となる「細菌性結膜炎」などがあります。

アレルギー性結膜炎と細菌性結膜炎は人にうつることはありませんが、ウイルス性結膜炎は非常に感染力が高く周囲に感染を広げる可能性があるので予防措置をとる必要があります。

季節性アレルギー性結膜炎 (花粉症)

今や日本人の3~4人に1人が花粉症で、花粉の多い春に症状が出る方が多い疾患です。目の症状だけでなく、鼻の症状(アレルギー性鼻炎:鼻水や鼻づまり、くしゃみなど)も併発するケースが多く見られます。スギやヒノキなどが代表的ですが、人によって反応が起こる植物は異なるため、春以外の時期にも症状が現れることがあります。
春:スギやヒノキ
初夏:カモガヤやオオアワガエリ
秋:ブタクサやヨモギ などが代表的です。
また、花粉症の原因物質と、食物アレルギーの原因物質はよく似た構造をしており、食物自体にアレルギーがなくても、花粉症によって食物アレルギーを発症するケースもあるので注意が必要です。

通年性アレルギー性結膜炎

季節あるいは気候の変化により良くなったり悪くなったりして、花粉症とは異なり、1年を通じて慢性的に自覚症状があるものを指します。ダニやハウスダスト、カビ、ペットが原因であることが多いです。

アレルゲンと接する限り常に症状が現れる可能性があるので、薬での症状緩和と合わせてアレルゲンを生活環境から除去することが必要となります。

春季カタル

春季カタルは、アレルギー性結膜炎の重症型の一つです。特に春から夏にかけて症状が悪化しやすい疾患です。小学生から中学生の学童期に発症することが多く、成長するにつれて症状は軽くなっていきますが、体質によっては成人しても強い症状が現れる方もいます。
花粉やハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛などのアレルギーを起こす原因となる物質との接触が原因となるほか、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患と併発することもあります。「白い目やに」「結膜に石垣のようなデコボコ」「角膜が白く濁る」の症状がある場合があります。

巨大乳頭結膜炎

巨大乳頭結膜炎は、アレルギー反応によって上まぶたの裏にプツブツとした隆起(乳頭)が生じ、炎症を起こしている状態です。コンタクトレンズの汚れや機械的刺激に対するアレルギー反応が主な原因となります。他にも手術用縫合糸などの機械的刺激が原因の場合もあります。コンタクトレンズの洗浄が適切にできていないと花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンが付着したままになり、アレルギー性結膜炎が悪化し巨大乳頭結膜炎へと進行します。
症状を自覚した場合にはコンタクトレンズの使用を中止し、早めに診察を受けてください。

治療について

アレルギー性結膜炎の治療においては、点眼薬による薬物療法が基本となります。症例や症状の程度に応じて抗アレルギー点眼薬、ステロイド薬、免疫抑制薬などを処方し、症状を抑えて日常生活に支障が出ないようにします。

日常生活で気をつけること

ゴーグル・マスクを着用する
花粉飛散量の多い日は外出を避け、洗濯物は屋内干しにする
花粉の付きにくい服を選び、家に入る前に衣服についた花粉をしっかり払う
こまめな洗顔・うがい
定期的な室内の清掃 など

室内のこまめな清掃
定期的な換気・除湿
寝具類の洗濯・乾燥
ペットの毛やダニが原因である場合、室内での飼育環境を整える など

コンタクトレンズを常に清潔に保つ
ワンデー(1日使い捨て)タイプのものを使う
違和感がある場合はコンタクトレンズの使用を中止する など